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詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

「私はへちま」

わたしはへちま 川俣町の わかこさんの 畑で生まれました
わたしを見て わかこさんは ビックリ
だって わたしの お腹から 葉っぱが 出ているのですから

わかこさんは わたしを ハサミで切って
ともだちの ジョニーに 見せました
ジョニーは わたしを見て ウーム と言いました
こんなのを見ると 気持ちが なえちゃうの と
わかこさんは 悲しそうに 言うのです
ジョニーは また ウームと 言いました

やっぱり ここで 畑 やるのは むりかなあ ここが わたしの生きがいだった
最初の年 何がなんだか わからなかった
二年目に 野菜作って おそるおそる 測って
下限値だったから 本当に ほっとした
でも でも いつも いつも 気にしてた
この子 見ると やっぱり だめなのかなあって 思ってしまう

わたしは へちま お腹から 葉っぱが出ている
わかこさんの 話を聞いて とても 悲しくなりました
わたしは のぞまれて 生まれてはいない 
すぐ 踏みつぶされ 肥やしにされる 存在

畑 探すの手伝うよ 佐渡に 家 借りてんだ と ジョニーが言いました
雪 深くないところが いいなあって わかこさん
この葉っぱ お腹から出ているから しばらく枯れないよ って 言われて
わかこさんは 畑のへちまの根元に そっと わたしを 置いてくれました

わたしはへちま
お腹から 葉っぱが出てる
これが わたし
のぞんでもいない 運命
ま 最後まで せいいっぱい 生きてみるさ
せっかく 生まれたんだもの

(2013.09.13)

「私はへちま」_d0320318_8173667.jpg


by johnny311 | 2013-09-13 08:17 | 第3集