詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

カテゴリ:日々の詩2015年( 69 )

「みそか」

みそかは もちを つきました
のしもち まるめて お供えも
お風呂の マキも 切りました
たくさん たくさん 切ったから
この冬 これでだいじょうぶ

玄関に しめなわ ゆずり葉 飾りつけ
「それではこれで よいお年を」 と ヒロアキさん
「アベ政治を許さない」の貼り紙の車で
白い ドンデン山の麓に 帰っていった
へっついの家の 奥の上座に お供えもち
これで お正月様は いらっしゃる

あしたは おおみそか
おおそうじも やったから
民主主義ってなんだ の年だったから
しずかに 一年 思いやり
祈るひと日に いたしましょう

夕うげのあとは 庭に出て
青いななめな お月さま
見上げて 手 合わせ祈ったよ
あのひとのこと みんなのこと
ホームレスのこども シリアのこども
借り上げ住宅からから 追い出されませんようにと
福島の避難者のこともね
ありがたいことに 吐く息が白くならなかったから
長くながく お祈りできた

あしたは 大みそかだから
やってくる 一年 思いやり
祈る ひと日にいたしましょう
あなたのことも わたしのことも

(2015年12月30日)


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by johnny311 | 2016-08-18 16:52 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「メリークリスマス」

おかげさまで
船酔いせずに 海 渡り 築100年の
へっついの家で あたたかいご飯を食べ
にごり酒も 少しのんだのです
ひとりですが さみしくはないのです

奥の部屋で 座敷わらしが おかえり と言って
ただいまって わたしが言って
コタツの向こうには 見えない存在も座っていらして

それから ずっとずっと向こうの 西の海辺の街から
焼けたりんごケーキの
甘いにおいを あのひとが送ってくれて
メリークリスマス

今夜のわたしは ひとりではないのです
キリストびとではないけれど
メリー メリー クリスマス
今夜のあなたは マリアさま

(2015年12月25日)






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by johnny311 | 2016-08-06 10:30 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「満月とクリスマスメール」

どう そっちは
失業手当て切れて いよいよどん底
でも 保養基金のパンフできたから
あっちこっちで カンパお願いできっから
あかり 見えてきたってどこかな
それは良かった
まずは メリークリスマス

みんなでケーキを作って
ただただ ごはんを食べる
それが わがやのクリスマス
なんでもない毎日が わたしを しあわせを
少しずつ 型どってくれるのです と あのひとからのメール

見上げれば 渡りゆく満月
神戸でも 見えてますか
二本松はあったかくて 息 白くなんねえのです
ああ それでも クリスマスだもの 祈りましょう
ついていたひと そうでもないひと
あなたにも あのひとにも
誰の上にも 神さまがいる
戦争も終わる 原発もなくなる
わたしたちが 望んでいるのだから

今年も暮れる
いい年に なりますように

(2015年12月24日)







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by johnny311 | 2016-08-03 15:28 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「冬至」

ホウシャノウ
見えない におわない 味がしない
むやみに 不安がるな
いたずらに 安心を言うな

はかる わかる 記録して 考える
これが 福島で暮らすキホンだけんど
甲状腺ガン 156人
飯館の牧場 馬30頭も死んで
おらんち 家も外も0.18マイクロシーベルト
さてさて この数字 どう読んだらいいのだべな

ホウシャノウで
馬がバタバタ死ぬくらいなら 人間も死んでいるはず
原発の労働者だって 一人も死んでいません
ここらが危ないような 不安あおらないでと 店のあるじが
多発は事実 でも考えにくい と専門家が
でも 起きていることは事実 と私が言って
重い空気が どんよりと漂ったのです

見ようとしなければ 見えね
なきがら 目の前にあっても 目に入らね
おめさん 目つぶってみっせ
住まう者たちの 相あらそうさま 見えっから

ああ それでもなあ
今夜は冬至で かぼちゃがゆ
明日から おひさま長くなる
街には クリスマスのイルミネーション
忘れろ忘れろと 年が去っていき
何ごともなかったような顔をして
6年目の お正月様がやってくる

(2015年12月22日)


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by johnny311 | 2016-07-29 19:51 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「詩の 行商」

「拍手はいいです 重い話ですから」

もの 言わぬ東北人には
ガイゴクみてえな 大阪の
なにわのバーで 詩の朗読会
フクシマのこと 伝わるんだべか

「死ぬだべか」が 面白かったっていずみさん
そうでやしたか
原発バクハツし 生きるか 死ぬかの瀬戸際では
男は女を 女は男を 温もりを求めるのだという詩が
グサットきたって いやうれしい

それからは
あーちゃんも 小出センセも大好きな
堀越おかんの おばんざい
おにぎり ぬかづけ スパゲッティ
なつかしくて おいしい かあちゃんの味

夜は おかんの公営住宅の
仏さまの前で 眠った
朝は おかんのウメショウ番茶 ぐるり回りは 般若心経 
手を合わせ 番茶 飲み干して
詩集の入ったリュックサックを よっこいしょ
それからオレは 姫路さ向かったのさ
八戸の 行商のおばちゃんみてえにな

(2015年12月17日)


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by johnny311 | 2016-07-23 09:07 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「チャーリーの 音楽会」

きのうは 48歳で逝った
チャーリーの 5回目の 月命日
大震災とおなじ 11日
オレは 目をとじて 手 合わせた
 
きょうは チャーリーがこさえた 7回目のクリスマス音楽会
たくさんのミュージシャンが歌ってくれて
たくさんのひとが聞いてくれて
ほんとうに 幸せな時間だったから
チャーリーの音楽会は これでおしまい
星に なったのさ

夕暮れの イルミネーションの駅前通り
打ち上げの席で みんなが
あんまり幸せだったから もっと つながっていたいから
新しい音楽会を始めよう! カンパイ! と言ったんだ

チャーリーよ
あんたのまいた種は 芽 出ているよ
心臓の 動脈瘤破裂は 放射能のせいだと思っているよ
チャーリーよ
オレは保養を続け 旅に出て あちこちで福島の詩 詠むさ
道ばたで 原発いらないの歌 歌うから
かたわらで見守っていてくれ と つぶやいて
ビールを飲みほしたんだ

(2015年12月12日)


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by johnny311 | 2016-07-20 10:56 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「あたらしい ふるさと」

鬼ごっこに かくれんぼ
泥だんご 虫とりをして お花つむ
日がな お外で遊べたら そこはお前のふるさとだ

稲刈りの手伝いで 新米のおすそわけ
お返しに いただきもののアジ 少し
モノもお金も ひとも回ってな 助けられたり助けたり
だれもがご飯が食べられる そこは私のふるさとだ

日が暮れて たき火を囲んで見上げれば
空いっぱいのお星さま
オリオン 高くのぼったら 今夜は一緒に眠るべな
いつも一緒で いつでもひとり そこはふたりのふるさとだ

だからこどもたちよ しばらくは
死の灰の降った 土地 離れ
あたらしい故郷を あっちこっちさ こさえよう

わたしたちが 帰るのは
300年 先のこと
プルトニュームの毒 半分になるのは
2万4千年 先のこと

(2015年12月4日)

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by johnny311 | 2016-07-19 10:56 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「フクシマ病」

多発は事実 でも 考えにくい
ああ 考えにくい 考えにくい と
専門家が 言うのだ

なにが 考えにくいのか それとも
考えられないのか
考えたくないのか
考えないことにしたのか

甲状腺ガン 157人になっても
学者が 21回 検討かさねても
目の前で 起きていることが わからねえのであれば
教えてあげやしょう それは
「フクシマ病」なのです

鼻血だし 下痢して 髪が抜け
だるくて 力が入らず すぐに病気になる
そう エイズみたいに免疫力落ちて
やがて死に至る 「フクシマ病」
放射線の影響とは 考えにくい と言うけんど
現れている症状は 確かにチェルノブイリと同じ 「フクシマ病」

かの地では 生まれた子どもを守るため
医療に 保養に食べ物に 国を挙げて立ち上がる
子どもは国のいしずえ 子ども 育たぬ国 滅ぶ
それが わからないのであれば おめさんも
「フクシマ病」に やられてるんで ねえべか

(2015年12月2日)


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by johnny311 | 2016-07-15 20:25 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「そなえはあるか」

朝 目さめたら ボタボタの雪
いきなり 冬が 来た
まだ 11月だべ
いやいや 木枯らし吹いてな 山 白くなったらタイヤ交換
雪道のそなえ やってねば なんねえのさ

柏市の甲状腺検査 1割 C判定だど
やたら多くねが こっちど比べて ちゃんと測ったんだべか
柏市役所だべ やってんでねえの
いやいや 福島県がさ 本当はもっと多いんでねえべか
うーん わがらねえ だども
放射能のそなえも やんねばなあ
どうやって
うーん わがらねえけんど
味噌に梅干し 保養に手当て
アイロンでお腹あっためて
まずは 免疫力アップかな

雪の町 うつむいて歩くひと
カゼのマスクは するけんど
放射能 そなえのマスクは もうやらね

(2015年11月26日)


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by johnny311 | 2016-07-11 12:27 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「たとえれば」

なんで 逃げないのかと 言われ
なんで 帰ってこねえと 言われる
そこで育てるのは 子殺しと同じ と言われ
戻らねえのは 放射能は危険という
迷信に取りつかれてんだよって 言われる
なんて こたえたら いいだべか

チェルノブイリ法みたいに
食う 寝るところに 住むところ
生活の保障なかったら 簡単には出られね
20キロ圏内でも暮らせる
20ミリシーベルトならだいじょうぶだ と おっしゃる おめさんよ
まず あんたがそこさ 住んでみっせ

ミヤコさんがこう言った
たとえれば
わたしは 0度のところさ住んでいて いっつも寒い
おめさんは 26度のところに住んでいて いっつも暖かい
わたしは 10度のところさ行くと あったけえと感じるけんど
おめさんは 10度のところでは 寒い寒いと言う
つまりは そういうこと
そこで暮らさないと わからねえのです

ハローワークのとなり うず高く積まれたフレコンバック
隣の公園で子ども フツーに遊んでっから 驚きやしたか
街を歩くひと マスクもつけず
フツーに暮らしてっから 安心しやしたか

スーパーの壁 「ふくしまっ子復興祈念マラソン大会」のポスター
木枯らしにせつかれ 家路を急ぐ モノ言わぬひと
どこさ向かうのか 
どこさ行きたいのか

(2015年11月18日)








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by johnny311 | 2016-07-10 09:29 | 日々の詩2015年 | Comments(0)