詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

カテゴリ:日々の詩2016年( 8 )

「2万4千年の 毒」

わたしの体には 2万4千年の毒がある
死のトゲとなって 病み 痛み 腐らせる
抜けるだけ抜いて 子どもたちを遠くに連れていって
その時がきたら 目をつむる
大好きな あのひとを 想いながら

わたしの星には 2万4千年の毒がある
死のトゲは 虫や 花や ビセイブツや ケモノや
あらゆる 生きものの中に忍び込み
青い星を 灰色に 変える
やがて 毒を作りだしたニンゲンは死に絶えて
長い 長い 昼と夜と 昼と夜を重ねて また 青い星に還る

魂となったわたしは 懐かしいひとたちと再会して でも
やっぱり 大好きなあのひとに 会いたいものだから それに
2万4千年も待てないものだから また
トゲだらけの この世に 生まれかわるのです

せっせと 死のトゲを抜き 子どもたちを島に 連れていき
風になって 花になって 鳥になって あのひとに会いに行き
そうしてまた 死んで生まれてを くり返す

それは わたしの願いわたしの使命
それは あらゆる生きものたちの願いと使命
なぜならそれは この星が 望んでいるからなのです

わたしの体には 2万4千年の毒がある
死のトゲとなって 病み 痛み 腐らせる

(2016年1月24日)



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by johnny311 | 2017-03-11 19:09 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「6年目の空気」

あの日 本宮にいました
ゆれて ゆれて こわかった
この子は一才6カ月
はい 幸せです と フィリピーナのお母さん

三河島の コリアタウン
あ ゆれている ゆれている
ふいに浮かぶ 関東大震災 朝鮮人虐殺
「おい 十五円五十銭と言ってみろ 
生きたまま 炎に投げ込まれる 白いチマチョゴリ
ハルモニから 昔話に聞かされた
それから3時間 黙って家まで 歩いて帰ったのです と
在日3世のヘジョン

白沢の 仮設住宅
ゲンパツ爆発 ヨウ素剤 配られて
「いざという時 飲んで下さい」って言われて
いざという時って いつなんだよ 
相馬の避難所にも東電社員の家族いて でも なんも言わなかった
この間 浪江に帰って片づけ ほ乳ビンも転がっていて2時46分のまんま
箱買いのたまご ポンポンと破裂して
いやあ 臭いごど臭いごど もう 30年は帰らね

6年目 終わったみたいな空気の福島
でも 緊急事態宣言はそのままで
でも 基準は20ミリシーベルト 問題ないから 帰りなさい
これからは 復興ですよと言われて
でも 子どもの甲状腺ガン167人 事故の責任も取らないで
支援 打ち切り おかしくないですかと言うと
自立したらどうですか イヤなら アメリカでもどこでも 出ていけば と
こんどは 住民が言いだすのだ
悩ましねえのお 同じく 被ばくしてんだけんどな

(2016年3月7日)







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by johnny311 | 2017-01-23 09:33 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「6年目のことば売り」

わたしのまちに 落ちている
つらい せづね 泣きてえを
せっせと集めて 売りに行く

そったらもん 見たくもねえ
そこいらさ ころがってるべ それに
トゲも刺さってるべ もう 明るく
ここを 盛り上げていくしかねんだよ と
このまちでは さっぱりなんですが
怖いもの見たさもあってか
遠くのまちでは 少しは売れるのです

ポタポタ こぼれた涙や 血や汗を
そうっと紙に写しこみ 束ねてリュックにつめ込んで
コゴトゴト電車で西のまち ことばの行商行くのです

おばんです おばんです
フクシマのことば 持ってきやんした
買ってくなんしょ 5年物もありますし
いまなら ドクもついてます

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(2016年3月6日)






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by johnny311 | 2017-01-13 19:58 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「なんとなく 幸せ」

きのう 届いたギフト
ジャムにパンに チョコと ドングリのお守り
クリスマスとお正月 バレンタインディ
それに 神さまも一緒にやってきたみたいで
嬉しい

けさ 目が痛んで
医者にいったら結膜炎
二種類の目薬 ふってから点眼してください
あと 黒眼に入りこんでる白いやつ
大きくなったら切らないと まだいいけどね と言われ
放射能かな やっぱ年のせいかなと思って
なんとなく ガッカリ

いいことも やな事も
代わるがわる やってくる
でも だいじょうぶ と
ポケットのお守りが言ったから
いまは
なんとなく 幸せ

(2016年2月2日)


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by johnny311 | 2017-01-13 10:49 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「足を止める日」

1月17日 神戸からのメール

朝 わたしは手を合わす
21年目の 阪神淡路大震災
忘れそうに 足早やに過ぎる日に
こうして 足を止めるのは
たいせつな たいせつなこと

返信
きょう 一日
たくさんの たくさんのひとが 祈ったのですね
それは良かった それは希望
福島では もう 忘れろ 忘れろ
気にすっこどねえ 線量 下がったんだもの
復興ガンバロー おめさんも帰ってきっせ の
声が 街中に響いているのです

まもなく 6年目の3・11
わたしは ひとり駅前で 
ポロンとギターをつま弾いて
ハーモニカを吹くつもり
「原発いらない 子どもを逃がせ」の
プラカードを背にしょって

おやすみなさい
あなたと あなたの大切なひとに
雪のように 幸せが降りますように。

(2017年1月17日)








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by johnny311 | 2016-12-25 11:09 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「賀状書き」

黒い瓦を 白くして
ようやく 冬になりました
わたしは コタツで 賀状書き

今年もよろしくと 書くけんど
おめでとうとは 書かね
あれから 5年経ってもな 避難の権利もなくてな
次の春には 家 出され
なんも めでたいこと あるもんか
残りの人生
放射能から子どもを守り
笑って 死んでいけたらいい

ちょっと そんなごど 書いてんの
正月そうそう 死ぬだの 縁起でもねえ

なあに 正月は 冥途の旅の一里塚って言うんでねえが
おれも年寄りだもの 時間ねえ
覚悟して 生きねばなんねえのさ

庭の 梅の木 白くして
雪が チラチラ 降ってます
きょうは のんびり 賀状書き
ねこも まんまる ヒザのうえ

(2016年1月15日)











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by johnny311 | 2016-12-23 09:30 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「トゲ抜き」

いでっ!
まき薪りで 指にトゲ刺して
折れて残って ジンジン疼く
佐渡ヶ島 へっついの家
保養という名の 年寄りのひとり正月
なんも さみしいことないが
こんな時は 困るのお

老眼鏡に 虫めがね
焼いたハリで ホジホジして
ようやくとれた 黒いトゲ
こんなもんでも 刺さった日には
シクシク病んで 眠られね
こんなとき 誰かいればな

ああ 誰かといったって
あの人は 出で行ったし
ここさ来るの 気 重いって言われたし
それ おれのせいだべか それとも
フクシマのせいだべか と言いかけて だどもな
聞くの怖くて だまっていたのさ

胸の奥に刺さった トゲ
ひとりでいると シンシン 疼くから
そろそろ神さまから トゲ抜き借りるべな
抜いてくれるひと 
来てくれるのもいいな

(2016年1月7日)

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by johnny311 | 2016-12-22 11:01 | 日々の詩2016年 | Comments(0)

「山茶花(さざんか)」

軒にかかる 赤い 山茶花
バッサ バッサと 枝 落とし
春の保養の したくする

夕べの 新年会
おりる
やりたいことではなくなった と 言ったひと
聞かされたほうは 切ないが
言ったほうも 切なかろう

バチバチと 燃える山茶花
青い葉 たちまち まっ赤になって
黒く 灰いろ くずれ落ち 
白い煙となって 空に消えゆく

「チェルノブイリでも 運動は
5年目が一番苦しかったのです」 と ヒロカワさん
フクシマで 被ばくしたから 
逃げられんからと おれはつぶやいて
また 山茶花の枝を放り込んだ
ひとが去るのは さみしいのお
だども 新しい年が来たんだもの 
新しいひとも やってくるべ

雪の無い 佐渡へっついの家の お正月
ネズミ三匹 捕まえた
とんびか たぬきに くれてやろう
やがて 東の空にはお月さま
手 合あわせてから 家さ

夕げは 三日目のアラ汁
ひとり
寒ブリの あたまをすすったのさ

(2016年1月4日)

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by johnny311 | 2016-09-19 10:44 | 日々の詩2016年 | Comments(0)