詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

カテゴリ:第1集( 25 )

うらやましい

私は みなさんがうらやましいです
マスクをつけずに 空気が吸えることが
私は うらやましいです
家族や友人や 地域の人と別れずに暮らせることが
私は うらやましいです
普通に野菜や魚 お米が食べられ 水が蛇口から飲めることが

山や川で遊び グラウンドをかけ回り 虫や犬や草や木にふれることができる
春は山菜をいただき 冬は薪(まき)で暖をとる 落ち葉やわらでたい肥をつくり
自然と共に暮らしていける 当たり前の暮らし が うらやましい

私は みなさんがうらやましいです
子どもを たった一人で 見知らぬ土地へ送り出さなくていいことが
避難をめぐって そんなこどやっこどねえ と言い争い
家族が バラバラになることがないこと
家族 友だち ふるさとを捨てなくてもいい暮らしのあることが

でも うらやましがっていても詮ないことです
私と私の家族は そんな道を進んでいくしかありません

どうか できるところでかまいません 福島を助けてください
そして 原発を止める動きに 立ちあがってください
なぜなら、この日本列島に暮らす限り 震災は免れません
そして 原発事故に備えてください
家具は倒れないように ガソリンや水 食糧 合羽を用意してください
必ず地震は起きます 10年後かもしれないし 明日かもしれません
誰の上にも 放射能は降ってきます
だから支え合う仲間とつながってください
あなたと あなたにつながる すべての人を守るために
福島の教訓を生かしてください

(2012.1.20)

[PR]
by johnny311 | 2013-08-05 15:27 | 第1集 | Comments(0)

助けてと言おうよ

ハローワークの 便所の
仕事がない 死にたい の落書き
その横に
死ぬ前に SEXしっちな中出しで の落書き

アキハバラでは 誰でもいいと 若者が
見知らぬ人に ナイフを振る
フクシマの仮設から ふるさとに向った避難者が
自宅の納屋で 首くくる
みんな みんな 絶望し
海に向かって ひた走る
悲しいネズミの 群のよう

だからさ 助けてと 叫ぼうよ
困ってますと 話そうよ
ぬくもりが欲しいと 泣こうよ

原発事故で 逃げ遅れ 絶望の中でしたことは
助けてくださいと 友人に
助けてくださいと 見知らぬ人に
助けてくださいと 神さまに
恥も見栄もなく お願いした

すると
ある人は 味噌と玄米だと教えてくれ
ある人は 金をくれ
ある人は こっちへお出でと呼んでくれ
神さまは 希望をくださった
だから いま 生きている つながりこそが宝もの
だから 助けてと言おうよ
恥ずかしいことなんかじゃないよ
あなたの勇気が
みんなを助けるんだから

(2012.6)

[PR]
by johnny311 | 2013-08-04 08:01 | 第1集 | Comments(0)

助っ人 スギさん

雨だなあ、足も痛いなあ

聞こえないふりして スギさんは車を走らす
郡山 到着です
覚悟して ぼくは歩きだす

傘をさして てくてく
東京をめざして てくてく
がんばって の女性の声
一瞬、背筋が伸び、また丸くなった
3キロ先でスギさんが待っていた

代わりましょうか
ダンボールの カンバンをしょって
スギさんもてくてく てくてく
それから二人で てくてく てくてく
須賀川を過ぎ、鏡石に入ったところで終了

雨で ダンボールのカンバンは ヨレヨレ
ほんとに、ごくろうさまでした
帰りは 銀河のほとりでおいしいランチ
スギさんは そのまま石巻のボランティアへ

毎月 行ってるんだって すごいなあ
弱ごしの ぼくの背中をそっと 後押ししてくれた
助っ人のスギさん ありがと

声かけてくれた皆さん いっぱい ありがと
それでようやく 歩けてる

(2012.6)

[PR]
by johnny311 | 2013-08-03 06:44 | 第1集 | Comments(0)

看板

ダンボールにマジックで
原発いらない 子どもを逃がせ と書く
リュックサックに くくりつけ
どっこいしょと 歩きだす

4号線※を 南にてくてく 東京に向かっててくてく
国と東電に向かって てくてく てくてく

背中には 死の灰がある
だれかが 車のドアを開けて
がんばって
後にも先にもこれっきり でも
みんな 心の中では 手を振っているんじゃないかな

道ばたの線量は 0.6マイクロシーベルトありました
やたら 大きな草もありました
4号線は 早い流れの河のようで
止まることや ゆっくり進むことは許されぬ
まるで ぼくらの暮らしのよう

4号線をてくてく マスクをつけて てくてく
4時間歩いて 郡山
ここでようやく 看板 降ろす

夕べ 首相官邸前に 1万1千人集まったんだって
でも 新聞には載っていないんだって
フーン 本当のことは すぐに伝わるのにね

ささやかな わたしの脱ゲンパツ行進
あしたは 須賀川に向かいます

(2012.6.18)


※国道4号線。「灰の行進」はこの道を南下して東京へ向った。

[PR]
by johnny311 | 2013-08-02 07:10 | 第1集 | Comments(0)

行進の詩

ジャズメンの稲ちゃんが
タイコ 抱えてやってきた
絵描きの とおのくんが
絵を担いでやってきた

鏡石から白河まで
てくてく どんどん てくどんどん

まりっぺが ユーなんたらで中継を始めた
ついでに 線量も計ってる

白河も線量 低くねんだよなあ
電信柱の下で 4マイクロシーベルト!!※
たまってんだね ホウシャノウが
忘れてた リュックの中には
入ってんだ 我が家の庭のホウシャノウ

白河駅では タケウチさんとアサーンさん
オオサキ一家がお出迎え
皆さんは私のセーフティネット
今夜 お世話になります

(2012.6.25)


※平常時の基準とされている年間1ミリシーベルトの約30倍の値。

[PR]
by johnny311 | 2013-08-01 01:16 | 第1集 | Comments(0)

歩いても 歩いても

歩いても 歩いても
長く 長い道
どれだけ 歩いたら
あなたに 辿りつける

なげいても なげいても
遠く 遠い空
どれだけ 涙 流したら
あなたに 辿りつける

風になって 鳥になって
あなたに 会いに行く
海も山も
時も超えて
あなたの そばにいるよ

(2012.7.2)


● 灰の行進
2012年6月12日から一ヶ月かけ、作者は二本松の自宅の汚染された土をリュックに入れて東電と経産省に届けに歩いていった。仕事休みの日を使って歩き継ぎ、7月16日の「さよなら原発10万人集会」で東京に到着、17日には「この土の中の放射能は私のものではない。責任あるところに返したい」と東電と経産省に責任所在の申し入れをした。

[PR]
by johnny311 | 2013-07-31 00:33 | 第1集 | Comments(0)

なぜ歩くのかと聞かれて

歩くたびに
軽く なっていく気がする
汗になみだ 脂肪もすこし

歩くたびに
空っぽに なっていく気がする
悲しさつらさ 怒りにうらみ

背中には「原発いらない」のダンボール
がんばって の声に
行進やってんだった と気づく

空っぽの こころのままで
あなたに届ける 私の想い

本当は悲しい
本当はつらい
歩くから 伝わる
歩いたから 伝わるのかなあ

(2012.7.10)

[PR]
by johnny311 | 2013-07-30 07:00 | 第1集 | Comments(0)

原発いらない、いのちが大事の歌

原発いらない いのちが大事
放射能もいらない 子どもが大事
マスクなしで 暮らしてゆきたい
福島原発 メルトダウンだ
子どもを逃がせ 除染はあとだ
放射能はだれの頭の上にもふってくるんだぜ

原発やめても 電気はたりる
原発やめて 自然エネルギー
脱げんぱつでいこうよ
明るいビンボー それがエコロジー
助け合って生きる 分かち合って生きる
人はそうやって 暮らしてきたんだろう

ピース ピース ピース
ジョイ ジョイ ジョイ
ラブ ラブ ラブ
ピース オン ザ アース

上りつめるより 降りる 生きかた
貧しさ 辛さ 悲しみ 痛み
それを 分かちあえれば ぼくらは救われる
原発いらない 命が大事
放射能もいらない 子どもが大事
愛し合っていこうぜ

原発いらない いのちが大事
放射能もいらない 子どもが大事
みんな 愛し合っていこうぜ
脱、脱、脱、脱ゲンパツ

[PR]
by johnny311 | 2013-07-29 00:32 | 第1集 | Comments(0)

東京のデモ

こんなにも たくさんの人が
原発いらないって 叫んでいる
私は 黙って 看板を 背負ったまま
てくてく歩いた

突然、
偽善者ども 日本から出て行け の声に
ふいをつかれ 涙が出た

その捨てゼリフ 二本松でも聞いた
ここにいるのがイヤなら アメリカでも どこでも
出ていけば いいじゃねえか

どこへ行けというのだ どこまで行けばいいのだ
裸足のままで

辿り着いた議事堂の
シュプレヒコールは 国に届くのだろうか
届くほど 私は 声をあげているのだろうか

子連れ 若者 カップル 老人の
ごくフツーな人々の
原発はいらない
原発はいらない の声

うれしくても 悲しくても
涙は出るもんだね

ひと泣きしたら
また 歩いていきます

(2012.7)

[PR]
by johnny311 | 2013-07-28 06:00 | 第1集 | Comments(0)

死の灰の行方

受け取らないって言われたら
どうするの?
目の前の机に 土をバシッと置いて
ほうら 土だ けえしにきたぞ
うけどってくれろ
おめさんがたが 放射能を取ってくれたら
いつでも引き取るぞ
言うが早いか さっさと帰ってくる はずでした

皆さまの 声を受け止めて
汚染土はお預かりします と 若い経産相のお役人
すると
サキさんが こういった
これは15,000ベクレルの
船引実家の いろりの灰
200年の 団らん※の火が消えました

マツモトさんが こう言った
あのなあ 福島の人はなあ
みんな この灰の中に 暮らしておるで
灰 どうするか わからんが
せめてなあ あんたらのな
机の上に置いてなあ
灰をながめて仕事したら
本気で 仕事やれるかもしれんで

両手に灰をぶらさげた福田さん
どこに運ぶのかな
植え込みの陰?
第一原発?
それとも机の上

(2012.7.18)

※ 長年、家族団らんの中心にあった囲炉裡が、薪の灰の放射能の蓄積で燃やせなくなった。

[PR]
by johnny311 | 2013-07-27 00:31 | 第1集 | Comments(0)