詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

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「月と トマト」

朝の食卓に まっ赤なトマト
塩にバジル オリーブオイルたっぷりかけて
はい 甘くておいしい トマトサラダ
そう福島産 放射能 測ってないけど まあ
ナス科のものは あんまり出ない
タケダさんがくれたんだもの ありがたくいただくさ

あれから4年半 「避難指示解除」だど
ようやくここまできた 子どものマラソン大会もやっぺ
みんな 帰ってきたらいいべしさ と 言うけんどな
被災者の支援 おしまいになるのさ
米沢の借り上げ住宅も 打ち切られるのさ
「勝手に出たやつに 支援するのがまちがい」と
原発を進めた人間が言うんだぞい
事故の後始末も できてねえくせに

なじょすべなあ
なじょすべなあ
と 言いながら おれは
お天気がいいから 洗たくして ふとん干したのさ
外の風も ちょっとは入れたさ 4年半たったからな

なあ 今夜は 仲秋の名月だって言うから
いっしょに 月を ながめねえか
いっしょに 手を 合わせねえか
あんたは海で おれは山で
おめさんは街で おれは福島で

おれは あんたと つながりたいんだ

(2015年9月27日)

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by johnny311 | 2016-05-31 07:02 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「ビンボーな ふたり」

ようするに ふたりの関係は 
ビンボーなパトロンと ビンボーな愛人
同じ歌を口ずさんだり プラカードを持って
一緒に駅前に立ったりしていても
世間では そういうことになるのです

ビンボーな女は ちゃんとご飯が食べられるよう
ケッコン ケッコンと言うのですが
ビンボーな男は 抱えているものが多すぎて
しかたない しかたないと つぶやいて こっそり
さよならのセリフを 練習したりするのです

そんな ふたりでも
せまいベッドで お互いを温めあい
たわいのない おしゃべりを交わした幸せな時間の中で
毒で汚された いのちのよみがえりを
神さまに 祈ることはできたのです

あの日 ドッカンと原発が壊れ 死の灰は激しく降りました
人びとは あっちこっちに逃げまどい いつの間にか
引きずっていた しがらみのフタは外れて
新たな つなぎ直しは 始まっていたのです
こうしてふたりは出会い 世間様が何と言おうと いまも
一緒に 歩ける道を探っています

あなたは誰と どんな風に暮らしたいですか
原発事故も戦争法も 未来もきっと
生き方を 問いかけているのでしょう

(2015年9月25日)









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by johnny311 | 2016-05-27 10:01 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「国会前からガンジーまで」

佐渡 へっついの家の朝
味噌汁こさえながら 東京の国会を思う
8時50分 審議 再開らしい
雨の国会前から マユカさんが教えてくれた

ご飯を食べながら 京都のデモを思う
子ども抱っこのお母さん 手に
「戦争 させない」のプラカード
手をふる外国の旅行客 みやげ物屋のおばちゃん
福島から避難した さえちゃんからのメール

お茶わんを洗いながら デモのお母さんを
「子どもまで利用しやがって」と
ネットで ののしる人を思う

安養寺の田んぼで 稲を刈りながら
広島のマキさんが 教えてくれた
「暴力ではなく非暴力を」の ガンジーのポスターが
あちこちに貼ってある バングラデッシュの村を思う

田んぼの土手に腰をおろし
見やる 稲穂の先のトンボ 空を流れる雲
佐渡 国会 バングラデッシュ
遠く離れ ちがう考えの人から 道ばたに咲く花まで
過去から未来 わたしたちはつながっている
だから 共に生きなければならないのだ

稲刈り終わったら デモさ行くべ
祈って 歩いて その中から
平和は生まれるって いうからない

(2015年9月17日)

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by johnny311 | 2016-05-26 19:52 | Comments(0)

「裏の畑」

朝 お腹がいたんで 目がさめた
夕べ 晩ごはんに文句つけたから
バチが あたったのかな

インゲン ネギ ニラ シシトウ ミニトマト
これで おかず作って と あなたが言う
ええ これで?
肉ドーフの素あるし 何とかなるんじゃない

台風被害のボランティア 仕事は晩の飯づくり
裏の畑 大雨で倒れた トウモロコシ
おきあろうとする コスモス
残っている 野菜でこさえた 晩ごはん
ザクザク 野菜切って
ジュウジュウ フライパンで炒めて 素をからめたら
はい トマト風味の 野菜いための できあがり

どう?
まあ 悪くは ないな
おかわりは?
いや もう じゅうぶん
夕べは 水がうんと出て 眠れなかった
ふーん 大変だったね
野菜 放射能 下限値以下
畑 微生物もまいているし きっと大丈夫

これが 豊かさ
これも 福島で生きるってこと

ぼくの お腹が病んだのは 夜中に
一人で ウドン 食べたからなんだ

(2015年9月13日)

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by johnny311 | 2016-05-25 13:58 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「たねまきと平和」

秋の日に 息子と種を まきました
ダイコン 小かぶに ホウレン草

戦争で ごはん食べるとな
ごはん食べるために 戦争する
原発で ごはん食べるとな
ごはん食べるために 原発動かす
事故起こし 避難民出して
甲状腺ガン137人にもなっても
放射能のせいでねえと 原発動かす

安保法 平和のためだって
再稼働 電気が足りないからだって
テレビで 言ってたよ

戦争できる国になると おまえがな
ひと殺しやらされる 殺されるかもしんねえ
国が原発やめるなら お父さん
フクイチの 後始末に行くよ
だからな
戦争 原発で ごはん食わなくてすむように
自分の食うもん 自分でこさえる 
それが 平和の一歩だべ

米沢の 畑に種を まきました
こまつな たまねぎ にらとネギ
避難のひとたち 帰還して
畑 ひろびろ 草 ボウボウ

(2015年9月8日)







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by johnny311 | 2016-05-23 22:10 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「にんげんの津波」

押しよせる にんげんの津波は
かるがると バリケードをこえ 国会前を水没させた
にんげんの海が 民主主義ってなんだ なんだ と叫ぶ
為政者は 孤島となった議事堂の
高い所から のぞき込むが 波が怖くて動けない

やがて 海の あちこちから
平和の歌や 地響きのような コールが始まった
戦前に戻してたまるか と 老人がこぶしを上げ
だれの子どもも 殺させない と 母親がバナーを持ち
見知らぬ人が 水をさしだす

雨の中 ひるがえる 南無妙法蓮華経の旗
立ち上がった学会員が 署名を集め
遠くに 党首 教授のアピールも聞こえるが
誰もが 自分の言葉で どんな国にしたいか
どんな ふるさとにしたいかと 話し始めたものだから
わたしも 戦争と原発で
ご飯を食べる国にしてはなんねえと しゃべったのさ

これが 政治ってことだろう
これが 民主主義ってことだろう

福島から 佐渡ヶ島から 日本のあちこちから
民主主義ってなんだ が 聞こえる
にんげんの津波よ 二波 三波 と起きて
国会を のみこめ
わたしの村を つつみこめ

(2015年9月2日)

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by johnny311 | 2016-05-22 18:22 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「わたしは いつも ここにいる」

夏のキャンプの 終わりに
みんなで 贈ることば 書きました

遊んでくれて ありがとう
卓球 うまかったよ べんきょう ガンバレ
来年も 来いよ
大好きだよ

よせ書き おにぎり リュックにつめて
カモメ ひらひら 両津の港
子どもたちは福島へ 避難先の山形へ

遠くなる セミの声 風にゆれる 竹のブランコ
ガランとした へっついの家
掃除していたら ラジオから
2017年3月 住宅支援打ち切りのニュース
そのうち 保養の必要ありません と言うだべな

なあに この秋も冬も 来年の春も夏も
放射能のある限り キャンプはずっと続くのさ
国が 被ばく者を見棄てても
北海道から ジャガイモとトーモロコシが
水俣から お米とチリメンが
神戸から ハーブのクリームと黒煎り玄米が
愛の羽 生やして 飛んでくる
神さまは いつも 見守ってくださるのさ

青い 青い 佐渡の海
ドンデン山の 白い雲
みんな 早く 帰っておいで
わたしは いつも ここにいる

(2015年8月27日)


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by johnny311 | 2016-05-20 09:53 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「おだやかな 死」(Rさんの話を聞いて)

死んだらおしまい 無になる
だから 話せるうちは と 母が言う

ガンになって いまわの時になって
大切な人を 失いたくないから
つづける 一本の点滴
でも 管をさして100年も生きられない

わたしは 宇宙の話や
たましいの世界を信じている ともだちの話をする
見えない世界を感じるわたしと 無神論者の 父

だれかが先にいって わたしもいつか死んで
でも また会えるという世界の話に
目も見えず、話せなくなった父が
ときどきは ゆっくり うなずく

わたしは父に 穏やかな死を 手渡したいのだ

父の額に 接吻をし
わたしの額をあてて しばらくじっとしていたら
ふいに 涙が流れたてきたから
きっと なにかが 伝わったのだろう

病院をでると まぶしい夏の日ざし
原発事故の 後始末で賑わういわきの街
いまも降っている 放射能
遠くに聞こえる セミの声

(2015年7月31日)

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by johnny311 | 2016-05-15 21:57 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「ザクザクと 朝の草刈り」

梅雨 あけて
ザクザクと 朝の草刈り
たばねては 燃えるゴミ出し

草 放射能 吸ってんべな
燃やせば また 落ちてくるべな
しかたね 草ボウボウにしておくわけにも いかね

今年もセミ 鳴かねえな
蚊にも あんまし食われね
やっぱし 放射能のせいだべか

手をやすめ お茶 すすり
見上げる 二本松の 空

なあに にんげん そったに弱くはないのさ
だども 放射能に やっぱし強くはないのさ

だから おれは
好きな女 想いながら せっせと
アイロンで お腹 温めている
恋すると 免疫力アップすんだよ

(2015年7月30日)


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by johnny311 | 2016-05-12 11:56 | 日々の詩2015年 | Comments(0)

「ときどき 宣伝カー」

ときどき 宣伝カー
車には 「アベ政治を 許さない」
これで 米沢には来ないでねと 女房

街 走れば みんなジロジロ
どう思ってんだべか
親ゆび立てたり 下げたりするもん おらんけど
こったらごども やらねばなんねくなったんだよ

郡山の 駅前ひろば
「福島を見殺しに 戦争へとひた走るアベ政治
戦争できる国にしてはなりません と叫ぶ人
おれは ギターをかきならし うちは創価学会 公明党よ
何が怖くてファシストの方棒をかつぐと 歌った
だから 何かは 道行くひとに伝わったんだ

ただいまと 宣伝カー
息子も帰ってきたが 何も言わねえ 
見なかったのか わかんねえがったのか
「アベ政治を許さない」は いちおう 外す
家庭内戦争は やだからな
だども 明日も外で続ける
いのち かかってるっからな

(2015年7月24日)


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by johnny311 | 2016-05-11 15:42 | 日々の詩2015年 | Comments(0)