詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

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「三十五日」

死んだ母の三十五日に 運ぶ二本松の仏壇
せっせとふき掃除したし
放射能のかけら くっついていたって
母ちゃん 文句言わねえべ

仙台 古川 一ノ関 北に向かっていくと
だんだん薄れる 福島のしんどさ
花巻 盛岡 八幡平 岩手に入ってくると
だんだん思い出す
母ちゃん残して 街に出たこと

仏壇 窓から入れて部屋に収めて
祭壇 白木で三段にこさえて
白い布敷き 写真に花に盆提灯
まずまず立派 これで新盆 迎えられる

夕方は 七時雨鉱泉さ行った
「おめさん 見かけねえけんど どっから」と
湯船で 日焼けした親父さん
福島だども 実家は平舘
母親の 三十五日の法事で来やんした
「それはそれは 大変でした」

湯から出ると 空は星がまたたいて
林の奥では フクロウが ホウホウ
よう帰ってきたと啼いて
明日 福島に戻りますからと おれは頭さげ
それから家さ帰って
三十五日の 祭壇の前で寝たのだ

(2016年6月10日)







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by johnny311 | 2017-06-30 10:25 | 日々の詩2016年

「保養の風」

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ねえ お母さん
去年は 北海道の山の家だったから
今年は海がいいな

8か月の子どもと
親子で 行けるところありますか と尋ねるお母さん

あの まだ一度も行ったことないのですが と
おそるおそる聞く人に
はい だいじょうぶ ぜひ来てください と
にこやかに応える 山梨のおじさん

キャンプに来た子が 顔を見せに来てくれてさ
そりゃあ 嬉しいもんさ と ミチルさん
南相馬から 琵琶湖の近くに避難して
夏はおいでと 声かける

保養 と言えば聞こえはいいが
格安の旅行だと思っている 親も多いのさ
どれだけわかっているんだか の 書き込みもあったけれど
いいの どんな理由でも来てくれたら
続けると覚悟したから と 宝塚のおばさん

夏保養の 相談会場には
こころやさしい ひとたちが運んできた
海と山と 野原をわたる風が流れ
ワクワク ドキドキと ちょっぴりの不安と
希望のにおいで いっぱいだった

ありがとう
皆さんは希望であり 
私たちもまた希望です

(2016年6月6日)





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by johnny311 | 2017-06-29 12:03 | 日々の詩2016年