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詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

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「ヨウ素剤と昆布」

ひとつぶの ヨウ素剤が あったなら
よっつに わって お前たちに 飲ます
じゅっつぶの ヨウ素剤が あったなら
ひとつぶ ずつ お前たちに 飲まして
残りは 近所の 子どもに 分ける

お父さんは どうするの
おれは いつも
昆布を 食べているから 大丈夫

あの日 ゲンパツ 爆発し
ヨウ素剤を 求め かけずり回った 母親
だが 待てど 暮らせど 配給はこなかった

ようやく 手にした バイオ燃料で
お前たちを 所沢に 送り出した あの日
死の灰も 一緒に 南下した というではないか

「ただちに 人体に 影響が出るものでは ありません」
「こどもを 外で遊ばせても 大丈夫」 と 言いながら
医大の人たちは  こっそり ヨウ素剤 飲んでいたってね
誰にも言うなって 口止めされて いたってね

ああ そったに ヨウ素剤 欲しかったんだべか
ああ そったに わがだけ 助かりたかったんだべか
ウソをつくと 苦しむって わからなかったんだべか
ああ そん時から オラたちは 見捨てられていたんだべか

あれから 3年 甲状腺ガン 75人
うちの 子どもも A2だ  おめさん A2って わがっかい
のどに 水ぶくれが あるんだよ
もう 国なんか あてにすんな
ヨウ素剤なんて 待ってんな
昆布 食うべ 昆布 食って
生きのびて 見せんべ

(2014年2月23日)




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by johnny311 | 2015-02-24 21:33 | 第4集 | Comments(0)

うらやましい

私は みなさんがうらやましいです
マスクをつけずに 空気が吸えることが
私は うらやましいです
家族や友人や 地域の人と別れずに暮らせることが
私は うらやましいです
普通に野菜や魚 お米が食べられ 水が蛇口から飲めることが

山や川で遊び グラウンドをかけ回り 虫や犬や草や木にふれることができる
春は山菜をいただき 冬は薪(まき)で暖をとる 落ち葉やわらでたい肥をつくり
自然と共に暮らしていける 当たり前の暮らし が うらやましい

私は みなさんがうらやましいです
子どもを たった一人で 見知らぬ土地へ送り出さなくていいことが
避難をめぐって そんなこどやっこどねえ と言い争い
家族が バラバラになることがないこと
家族 友だち ふるさとを捨てなくてもいい暮らしのあることが

でも うらやましがっていても詮ないことです
私と私の家族は そんな道を進んでいくしかありません

どうか できるところでかまいません 福島を助けてください
そして 原発を止める動きに 立ちあがってください
なぜなら、この日本列島に暮らす限り 震災は免れません
そして 原発事故に備えてください
家具は倒れないように ガソリンや水 食糧 合羽を用意してください
必ず地震は起きます 10年後かもしれないし 明日かもしれません
誰の上にも 放射能は降ってきます
だから支え合う仲間とつながってください
あなたと あなたにつながる すべての人を守るために
福島の教訓を生かしてください

(2012.1.20)

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by johnny311 | 2013-08-05 15:27 | 第1集 | Comments(0)

助けてと言おうよ

ハローワークの 便所の
仕事がない 死にたい の落書き
その横に
死ぬ前に SEXしっちな中出しで の落書き

アキハバラでは 誰でもいいと 若者が
見知らぬ人に ナイフを振る
フクシマの仮設から ふるさとに向った避難者が
自宅の納屋で 首くくる
みんな みんな 絶望し
海に向かって ひた走る
悲しいネズミの 群のよう

だからさ 助けてと 叫ぼうよ
困ってますと 話そうよ
ぬくもりが欲しいと 泣こうよ

原発事故で 逃げ遅れ 絶望の中でしたことは
助けてくださいと 友人に
助けてくださいと 見知らぬ人に
助けてくださいと 神さまに
恥も見栄もなく お願いした

すると
ある人は 味噌と玄米だと教えてくれ
ある人は 金をくれ
ある人は こっちへお出でと呼んでくれ
神さまは 希望をくださった
だから いま 生きている つながりこそが宝もの
だから 助けてと言おうよ
恥ずかしいことなんかじゃないよ
あなたの勇気が
みんなを助けるんだから

(2012.6)

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by johnny311 | 2013-08-04 08:01 | 第1集 | Comments(0)

「幸せな死」

20※ミリシーベルトでも大丈夫
そんな声を尻目に 佐渡へやってきた
海で泳ぎ 草や土に寝転ぶ子どもたち
大きな子は 小さい子を
お母ちゃんはご飯を 父ちゃんは風呂を
それぞれの役割をこなす ぼくらは大家族

空 青く 子どもの遊ぶ声
死ぬにはいい日だ※
老人の仲間入りをした ぼくは 古いインデアンの言葉をつぶやく
すると ナリイがこう言うのだ
保養の子どもを
看取る日が 来るかもしれない
一瞬 ベラルーシの病室の
青白い 子どもたちの顔が浮かび
ぼくはうろたえた
おい 順番がちがうだろ
おれが先に逝って 子どもたちを
迎えに来なくちゃいけない ちがうか

チェルノブイリの教訓は
年寄りのわたしが 大人にならないままの
ユイやリオやミーノやレンの
野辺の送りを お前がやるのだと 教えている
家族や友だちに看取られる 幸せな死
それを子どもたちに渡せるだろうか

20ミリシーベルトでも大丈夫です
と誰かが言う でも 放射能は
そう言うあなたにも 降ってくるんですよ
だから 原発はいらない
あなたにも 原発はいらない

(2012.9.3)

※ 年間1ミリシーベルトとされてきた外部被ばく線量の基準が、事故後一挙に20倍に引き上げられた。
※ アメリカンインディアンの生死観をを表した言葉

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by johnny311 | 2013-07-12 07:10 | 第2集 | Comments(0)

原発トイレ

トイレそうじは わたしの 日課
シュッシュ ゴシゴシ ああ きれい
コックをひねって 流します
ウンコ バイバイ オシッコ バイ
浄化槽の中で ハッコウし 水とガスになるんだね
でも いまは セシウム きっと残ってる

原発には トイレがないから
ウンコが たまってんだって すると
誰かが やってきてささやくんだ

トイレをどこにしますかね
マグマの中か 宇宙の外か
つまるところ 処理できないので
原発はいずれ なくなりますよ

えー、 じゃ、何でいま 動かしてんだよ

それはですね お金もほしいし
ゲンバクもほしいから 動かしているんです
稼げるときには しっかり稼がなくちゃ
死の灰が降ろうと お金のためなら
いのちもいりませんよ

あんた だれ と聞くと
ニヤッと笑って 消えた

(2013.2.11)

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by johnny311 | 2013-07-08 07:05 | 第2集 | Comments(0)