詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

「いもうと」

避難する日
抱き合って 別れる 父と子の 紙芝居
その絵に 目をやらず テーブルに 目を落としたまま
全身で 聞いている 妹 よ

おめえたちの 父ちゃんは 鉱山(ヤマ)で 組合 やっててな
レッドパージに 引っかかり 平舘へさ 下りてきた
魚屋 やってみたものの いつしか 出稼ぎ 転々と
最後は 豊田で 野垂れ死ぬ
皆さ 世話かけてな ろくなもんで ねがった
ぐち聞かされる 小学生の 背負う 米の重さよ
その兄と 母を 玄関先で待つ おかっぱ頭の 妹よ

ここにいたら つぶされる と オレは思った
なんも してけれながったんだもの
おめえの 好きにすればいいさ と 母っちゃは 言った
母っちゃの世話 妹に押し付けて 兄きは横浜さ 出ていった

あれから10年 それから10年
親父よりは 生きたけんど 息子も いつしか 活動家
生まれ故郷の 岩手で 「福島のいま」 語ってら

お兄ちゃんたちが 体験したこと 伝わりました
原発ハンタイ もっと言っていいと 思う

詩集 母ちゃんに 渡しとくね
たまには 電話してください
来年は 八十八歳 米寿だからさ
みんなで 孫も連れて 集まろう
お兄ちゃんは 絶対に 時間 作ってね

オレは ただただ 頷く ばかりだった

(2013年11月28日)









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by johnny311 | 2014-12-31 00:48 | 第3集