詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

「成人式」

着物 レンタルで 19万円
それって もったいなくない と 言ったら

ほんとうは 23万円
そのために がんばって 働いているんだよ って
女房が 怒ったように 言うもんだから
おれは だまって パソコンに向かった

むすめに
おまえが 決めていいんだけど
スーツとか 買うほうがいいんじゃないの と 言ったら
それは自分で 働いて買うと 言うもんだから
おれは だまって 寝ころんで
はたちのころ 思い出していた

カリカリと 鉄筆にぎり
とうしゃ版で 組合の新聞を刷り
震えながら 会社の前で 配ったっけ
いつも Gパンと作業服
「セキ 成人式だろ みんなで カンパして
背広 買ってやろうや」の話も それだけ
でも うれしかったな

街に流れる シュプレヒコール
いつも 実らない恋
雪山の 胸までのラッセル
遠い はるかな 頂き

成人式って なんだろな
おとなになるって なんだろな
六十をすぎても おれは
あの頃を 引きずったまま 生きている

(2014年8月30日)





by johnny311 | 2015-04-30 17:26 | 日々の詩2014年