「月と行進」
ゲホゲホと せき込んでフトンの中
風邪か 夏の疲れか セシウムか
ガラス戸から 十五夜のお月さまが見えたものだから
世界中のこどもたちが おとなたちが
戦争で 放射能で苦しまねえように ついでに
オレの具合も なおしてくなんしょと 手 合わせた
岩泉町の水害のドロかきにいった スギさん
タバコくゆらせながら 月 見てるだべか
6年目 金沢に移住したヤスコさん
子ども学校なれたべか いっしょに お月見やってんだべか
37日間 750キロの巡礼を終えた レイさん
スペインの西の外れ フィニステーラで
ワインでも飲みながら 月 眺めてんだべか
タンタスコ スコタン タンタスコ スコタン
遠くから シャギリのお囃子が聞こえる
じきに 「今年も始まったない」の 提灯祭り
なにごとも無かったかのように 息子たちはかけてゆくが
「原発いらない 子どもを逃がせ」 の看板しょった
私は まだ行進の途中なのだ
フクイチの線量が上がっている
起きていることに目を凝らせ
熱 下がったら
ヨッコイショと起き上がり
また 歩くべな
(2016・9・15)
by johnny311
| 2017-09-13 23:27
| 日々の詩2016年