「いってらっしゃい」
はい弁当
電車 間に合うか
ギリ だいじょうぶ
行ってきます
おい シャツ出はってるぞい
ワイシャツ押し込みながら
坂道をかけてゆく息子に
親父が小さく
行ってらっしゃい
坂の上 風はドォードォー
木の葉バラバラ 屋根さ降って
また線量 上がるべな
昔 おれは引き売りで
野菜にお米 味噌醤油 酵母パンも積み込んで
無農薬 有機野菜いかがですか
軽トラックで あの町この街 売りに行く
おいしいトマトは
思想の右と左 つなげるチカラあるのさ
さて 売りに行くか
おとうさん いってらっしゃい
バックミラーの中 小さいお前が手を振って
あの角の向こうまで ずっとずっと
見えなくなるまで 手を振って
あの頃の 八百屋の売りは無農薬
いまは何だべ ノンベグレルか
(2017年10月31日)
by johnny311
| 2018-10-30 11:04
| 日々の詩2017年