「難民のお正月」
難民Aは 佐渡ヶ島
難民Bは 東京で 難民Cは福島で
おもいおもいの お正月
島は西風ドウドウ吹いて 古家のすきにせっせと目張り
それでも暮れには餅ついて 歳暮のかまぼこやってきたし
ありがたい ありがたい
へっついの家は あったかだ
冬休みに郡山から戻った
娘の弾く バイエルを聞きながら
お母さんはせっせと おせちをこさえる
4回目の引っ越し 念願のピアノの弾ける家
多摩は冬晴れ 部屋はあったか
「よう 来たの」と じいちゃん
抱きつく子どもたち
年末年始は 福島の実家 でも
見えないけど確かにある放射能 あちこちにね
あるものを 無いことにできないよ だから
なつかしくて やっぱ切ない里帰り
7年目が始まった
帰還者でも移住者でもなく 難民となってじき一年
この国のおえらいさんは
「いいかげんに自立したらどうなんだ」 と言う
俺たちを 難民に仕立てておいて よく言えたもんだない
だども きょうは元旦だ
お日さまに手を合わせ お祈りするべ
世界中の子どもたちが 大人たちが
戦争や放射能で苦しむことがないように
幸せになりますように とな
(2018年1月1日)
by johnny311
| 2019-04-10 09:19
| 日々の詩2018年