詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

カテゴリ:日々の詩2017年( 62 )

「幸せのおすそわけ」

入院して お腹を切って
みなさんに心配してもらって
だから
ありがとうの おすそ分け

祈ってます
思ってますよ のメッセージ
うれしかったから
幸せの おすそ分け

大したことではないの
イライラしてた人に
ほほえんで お世話できたこと
カリカリしていた人に
フムフムと 耳を傾けられたこと
きょうは わたしが
ゆっくりしようと思えたこと

ありがとう
みなさんのおかげです
あったかい気持ち いっぱいもらったからね
避難している あのひとからも
お返しできたのは 私の中が愛で満ちたから
だから 誰かに
幸せのおすそわけ

(2017年12月1日)


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by johnny311 | 2018-12-07 08:15 | 日々の詩2017年

「アルバイト」

きょうは 介護のアルバイト
あたまゴシゴシ 背中ゴシゴシ
チンチンも やさしくゴシゴシ
ザーと流したら
抱えて 湯ぶねにヨッコイショ
どうですか
ああ やっぱし 冬はお風呂が一番

障がい者の入浴 ジジイのおれがやる
大変でねえ お金もらえるし
何より 喜んでもらえて
おれもいづれ お世話になるんだしな
除染さは行かね
金は よっぽどいいのだべども
もういっぱい 被ばくしてるしな
作業員の方には申し訳ないんだども

仕事の帰り 店じまいのコープ
売れ残りのコロッケ買って
食べながら帰る

街はもう イルミネーション
何事もなかったみたいな顔して
福島に 師走がクリスマスが
新しい年がやってくるんだ
避難者を 切り捨てたままな

(2017年11月26日)


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by johnny311 | 2018-12-03 09:49 | 日々の詩2017年

「わたしはヒコク」

わたしは ヒコク
住戸不法占有者
きょう 裁判にかけられる

帰還か 移住か
国の決めたことに 従わぬ
だから おまえは ヒコクミン

二本松の家のホコリ
4767ベクレルあるのです
2号機 地震がきたらデブリ落ちて
また 逃げねばなんねえ
せめて 子どもが大きくなるまで
もう いいべとなるまで と思うのですが
おめさんがたは
損害金 さっさと払って団地出ろと おっしゃる
むごさいのお

わたしは ヒコク
住戸不法占有者
きょう 口頭弁論でしゃべる

仕方なく 福島さ帰ったひと
仕方なく 家賃払って残ったひと
恨み悲しみ 怒りに苦しみ
いっぱい いっぱい あんだよ
いったい 誰のせいでこうなった
国と東電のせいだべしさ
好きで勝手に 避難したんでねえぞい って
裁判官に 国に
おめさん方に しゃべる
あと 見えない方々 神さまにもな
わたしたち 間違ってますかって しゃべる

(2017年11月18日)


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by johnny311 | 2018-11-30 09:54 | 日々の詩2017年

「助けてくなんしょ」

胆石取った 腹の傷
咳のたんび キリリとナイフ 突き刺さる
切ねかったから 助けてくなんしょ と
誰彼なく フェイスブックの皆さんに うめいたのさ

まずあたためること それから
ハチミツに生姜 レンコンのすりおろし
マスクもカイロもいいですよ
それからノロノロ 腹を押さえて隣の部屋
6年前から山積みの サージカルマスク取り出して
冷蔵庫の生姜かぢって 白湯 飲む

あの日もそうだった
原発は爆発 続く余震
だどもガソリンなく 逃げられねえ
人気のない町 支配する不安
心臓はいつもドキドキしててな
誰彼なく 助けてくなんしょと 電話したのさ

そしたら
玄米に味噌だ 金送るぞ 自転車で逃げろ
いつでもこっちさこい のメール
17日の朝には 山梨のヒロちゃんたち
ガソリンタンク満載のワゴン車でやってきてな
ああ おれたちは 見捨てられてねえと思ったら 涙出た
国は民を守らない
国はおれたちを逃がさない
つながりこそがセーフティネット

夜中に 甘酒に生姜いれ コトコト煮て
飲んでマスクして 湯たんぽして寝たよ
皆さんに手 合わせてな

(2017年11月11日)


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by johnny311 | 2018-11-22 18:31 | 日々の詩2017年

「カタ コト ゲホッと 音がする」(胆石の手術を終えて)

4人部屋の 病院の朝
白いカーテンの向こうから
カタ コト ゲホッと 音がする
夕べも 切ねそうだった
窓から差し込む 11月の光は穏やかで
だども この部屋には 隠れているものがおってな

具合どうですか とドクター
腹帯したら 痛みもだいぶ治まって
では 退院ということで 

塩気のない朝めし お茶で流し込むと
検温です とやってくる せわしげなナース
体 拭くタオルお使いになりますかと 2本差し出すが
それより あんたサービスで
オレと 添い寝してくれねえが
そのほうが なんぼ元気になるかもしんねえ
はは これはザレゴト ジジイのモウソウ
どのナースも 色っぽく見えるから
オレも少し 持ち直してきたか

着替え始める カーテンの向こう
パタ スタ パタ スタ と
おとなりさん トイレから帰ってきて また
カタ コト ゲホッとだけ 音がする

家さ帰れば 0.15マイクロシーベルト
だども ネコの世話も 息子の弁当づくりもある
胆石とったオレは
みなさん はやく元気になりますように
早く治りますように と
カーテンの 向こうの皆さんにだまって頭下げ
二本松さ帰った

(2017年11月9日)


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by johnny311 | 2018-11-15 18:24 | 日々の詩2017年

「十六夜」


背中のリュックには
売れ残りの詩集
売れなかったが 被ばく者の
フクシマのいまが 話せて良かった

夕方の東京は雨
だども 終電が二本松に着くころには
上がっていて助かった
家に向かう坂道を トボトボ歩く
やっぱしきついな ちょっと重いな
明日から病院を思うと ちょっと切ないな

一息ついて 空 見上げたら
十六夜のお月さま
雲の上におわしまして
ああ いつも見守って下さっていて
ありがとうございます

家の玄関にリュックを下ろし
お月さまに 手を合わせた

世界中の人たちが 子どもたちが
戦争や差別や放射能 あらゆることで苦しまぬように
今日 会った皆さまが 幸せになりますよう
大好きなあのひとに 会えますよう

そうお祈りしながら
青い光を浴びていたんだ

(2017年11月4日)


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by johnny311 | 2018-11-04 16:48 | 日々の詩2017年

「いってらっしゃい」

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はい弁当
電車 間に合うか
ギリ だいじょうぶ
行ってきます
おい シャツ出はってるぞい
ワイシャツ押し込みながら
坂道をかけてゆく息子に
親父が小さく
行ってらっしゃい

坂の上 風はドォードォー
木の葉バラバラ 屋根さ降って
また線量 上がるべな

昔 おれは引き売りで
野菜にお米 味噌醤油 酵母パンも積み込んで
無農薬 有機野菜いかがですか 
軽トラックで あの町この街 売りに行く
おいしいトマトは
思想の右と左 つなげるチカラあるのさ

さて 売りに行くか
おとうさん いってらっしゃい
バックミラーの中 小さいお前が手を振って
あの角の向こうまで ずっとずっと
見えなくなるまで 手を振って

あの頃の 八百屋の売りは無農薬
いまは何だべ ノンベグレルか

(2017年10月31日)


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by johnny311 | 2018-10-30 11:04 | 日々の詩2017年

「雨とお祈り」

ざんざか ざんざか 雨は降る

行った?
これから だれ?
タイラさん
どこ?
戦争もゲンパツもダメだ と言うどご
わかった
ざんざか ざんざか 雨の中
投票所に向かう息子

あと 6時間だぞい
行ったがい?って あの人に電話すべな
こどもたちが 戦争や原発の後始末に
引っ張っていかれないよう
神さまに 祈るべな

ざんざか ざんざかの 雨の神さま
この国をおおうドクを 流してくなんしょ
放射能のドクを 流してくなんしょ
ひとのこころの アカを流してくなんしょ

(2017年10月22日)


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by johnny311 | 2018-10-23 17:19 | 日々の詩2017年

「せっせ せっせと」

保養に来られた 親御さん
お世話になってる あの方に
18才の ミノルくん
せっせ せっせと 電話する

選挙のお願いです
原発を 無くするためにも
ジミン、コウメイ、キボウ、イシン、コウフク、ココロ以外
市民と野党連合をお願いします と
せっせ せっせと メッセージ

「わかりました」 「もちろんです」 「了解です」
ときどきは 返事もあるけれど
この長雨 台風も近づいて
あさってにはカケ学院の獣医学部 認可って言うし
どうなるかなあ と思うのだけれど
しっかりと 神さまと見えない存在にお祈りして
最後の 最後まで
せっせ せっせとメールする

(2017年10月21日)


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by johnny311 | 2018-10-20 07:51 | 日々の詩2017年

「フッコーの声が聞こえる」

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避難指示 解除
復興の自由が帰ってきた!
居住や 生活の自由が帰ってきた!
国道6号の清掃活動 今年もやるよ
ぼくらがやる ふるさとを育む活動が帰ってきた

フツーに野菜やお米を食べ フツーに息をする
川の土手を さっそうとジョギング
もう誰も マスクなんかしてないよ
裏山で遊び いわきの海で泳ぐんだ
木によじ登り 草や虫にさわれる
フツーの暮らしが帰ってきたんだ

でも 6年たっても 風評は消えない
福島は住めないとか 福島の野菜や魚は食べられないとか
ハンゲンパツかなんかは知らないけど
デマ 風評を流す連中は許せない
避難した子どもへのいじめ ひどいね
放射能は問題ないってことがわからないから
こんなこと 起きるんだよ
もっと 放射線教育しなきゃ
原発は 本当にいらないかどうか
これからのエネルギーのこと考えると
すごく迷ってしまう
あ それから 保養はもういらないな
6年もたって フツウに暮らしているんだから と
ベラルーシに行った若者が言う

遠くから 近くから
フッコー フッコー ふるさとを守れの声が聞こえる
福島は どごさ行くのだべが
甲状腺ガン192人にもなって このあいだは
サクマさん 白血病で亡くなったんだどもな
こう言うと 不安あおっていると叩かれるべな

(2017年10月20日)


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by johnny311 | 2018-10-19 08:04 | 日々の詩2017年