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詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

カテゴリ:日々の詩2018年( 14 )

「ふんじゃった」

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夜中 トイレにおきて
一歩 ふみ出したら
フギャーと すごい声がして
あっ ネコふんじゃった

ヨロヨロ 布団から出てきた ネコ
ごめん わざとじゃないから とあやまったが
やつは無視して めし食いに

オシッコすませ そうっと
布団 ふみふみ まくら元
まわりは 避難の荷物でいっぱいで
早く片づけねえと また踏むぞ

やつはグルグル のど鳴らし
毛も ホウシャノウもくっつけて
こりずに 布団にもぐり込む
事故 起きたからって
いまさら 外ネコにはできねえ
ホウシャノウもくつけてくるからって
山さ 捨ててくる訳にもいかねえべ
だから おまえも
踏まれないよう 気いつけてくれ

(2018年4月15日)


by johnny311 | 2019-06-14 16:17 | 日々の詩2018年

「首塚」

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家のうしろの みどり色
畑のわきの黒いやつ
あれはフレコン ドクの山
忌み嫌われるその中は 土に草 虫 ビセイブツ
ホウシャノウも 押し込んで

おめさん あれ 何に見えやすか
黒くておっきい塊は アニメに出てきた 王の蟲
みどりの 小さいこんもりは
ヤマトに逆らい殺された アテルイマサカド御首が
祟るなよ と埋められて 重石 置かれた塚のよう

はは いや 首塚とは恐れ入った
あんたも 目ぐせえもん 見たくねえべ
じき 海辺の墓どごさ 持って行ぐ
ドクも祟りも葬るから
安心してここで暮らせ とおえらいさん

ドクを祓うお清めは 家のぐるりと道だけで
後ろの山は そのままで
祟りは ゆっくり下りてきて
ドクは 都にも降っていて
ひとは ゆっくり 病んでゆく

(2018年4月10日)


by johnny311 | 2019-06-13 10:12 | 日々の詩2018年

「朝の電車は」

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ゴットン ゴトゴト
ゴットン ゴトゴト
朝の電車は いそがしい
斜め向こうのお姉さん 鏡取り出しマユ描いて
シャドーを入れて パタパタと

向かいのおじさん ケータイに
スミマセン きょう病院 言うの忘れちゃって
ええ 休ませてもらって いいですか
ええ ええ ありがとうございます
それから なにやら探しもの
ああ ふくろ 忘れちゃった と上を向く
「間もなく 五百川 五百川」のアナウンス
おじさん 電車を飛び降りて 反対ホームにかけてゆく
だいじょうぶだべが
だども
朝の電車は ゴットン ゴトゴト
窓の向こうの 黒い山
汚染土 二本松で道路さ使うんだど
フーン
もう何も思わない もう誰も気にしない

「次は 郡山 郡山」のアナウンス
きれいになったお姉さん すました顔で降りていき
私は乗り換え 新幹線
東京で けさの電車の話するんだ
きっと おめさんがた忘れてる
8年目の 福島の話をしに行くんだ

(2018年4月8日)


by johnny311 | 2019-06-12 11:22 | 日々の詩2018年

「おめさん」

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やっぱし
事故さえ無かったら と 思うよ
生きることが 辛い

そう言って 電話 切れたから
家さ 行ってみることにした
無事でありますように
何事もありませぬように
そう 神さまにお祈りしながら 車 走らせた
おれも 毎日がいっぱいだが
生きるか 死ぬかの時でねえかと思ってな

タカさん サキさんもいて
明日 病院さ連れて行くことになった
おれも 苦しい時 ずいぶん助けてもらったもの
恩返し しねえとな

やせて 弱った おめさん
こころ 弱った おめさん

ああ なして こころ 弱る
桜 咲いたからか
満開の樹の下で 向こうさ逝きたくなったのか
いや やっぱし原発事故 放射能のせい
だから 祈るべな
こころ強くなって 元気になって
また 畑さ種まくべ
春だもの なあ おめさん

(2018年4月4日)


by johnny311 | 2019-06-06 10:09 | 日々の詩2018年

「アベはやめろ!」

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あわれ 役人は首を吊り
おえらいさんは 知らんぷり

公文書を書き換える これは改ざん犯罪で
責めを恐れて 首を吊る
役人が 勝手に文書書き換えるなんて あんめえ
おえらいさんのご意向には 逆らえなかったんだべ
哀れだのう 恨みは深いのう

これが おえらいさんの目指す
明治から150年 帝国主義国家のありようか
民主主義などいらない そもそも
国民に 人権などあるのがまちがい
そう言って憲法を変え 戦争のできる国を目指す
初代会長が獄中で殺され 「戦争ほど悲惨なものはない」と言ったはずの
創価学会と公明党を巻き込んだのだから
ファシスト体制は出来上がった と思っていたのだろうが
被ばく地 福島では
「戊辰から150周年」という声もあるのだぞ

今日は金曜日
官邸前から国会前から 日本中のあっちこっちから
アベはヤメロ アベはヤメロ のコールが聞こえる

貧乏人も 被ばく者も 弱き人も避難者も 若者も
非正規労働者も 韓国人も 女も子どもも 年寄りも
アベはやめろ 内閣は総辞職 
アベは獄中へと叫んでいる

(2018年3月16日)


by johnny311 | 2019-05-22 12:51 | 日々の詩2018年

「春一番」



風は ドウドウ
山の木 ユッサユサ
木の葉 バラバラ 屋根さ落ちて
おれは はがれたトタン板に石乗せて
おーい なんぼか おだやかに吹いてくれねえか と
風に言ったのさ

ハハハ あと半日は吹くぞ
それより 西のゲンパツに気をつけろ
また爆発したら 一日でやってくるぞ
そう言って風は 岩代の向こうさ飛んでいった

ジコったら どこ逃げる
ジコったら どこさ逃げる

風は ドウドウ
山の木 ユッサユサ
枯れ葉もホコリも バラバラ舞って
放射線量 また上がって

おれは倒れた自転車を起こし
東の山から上がり始めた
大きなお月さまを眺めた

(2018年3月4日)


by johnny311 | 2019-05-11 10:16 | 日々の詩2018年

「魚屋のおかみさん」

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魚屋のおかみさんがレジで
今年の南小の一年生 28人
女の子たった8人だよ とこぼす
やっぱし 帰ってきてもらいたいね とお客さん
そうだね とおかみさんが言わなかったのは
女房と子どもを米沢に避難させている おれが並んでいたからか
なんか悪いような 
仕方の無いような面持ちでいたからか

黙っていたのさ
昨日は県庁に行って
1万7千116筆の署名を出してきたことをな
避難住宅から追い出しを食らい
裁判にかけられていることをな

今夜の晩ごはんは オランダ産のアジの干物
農家からいただいた白菜は みそ汁に
地元産だって 測った物は食べる
ありがたくな

明日は 初期被曝の学習会
避難を続ける意味を 話せるようになりたいのさ
それから 余ったマヨネーズを配る段取り
助け合って暮らせる つながりを作りたいのさ
夢みたいなこと 回りに話していきたい
魚屋の おかみさんにもな

(2018年2月23日)


by johnny311 | 2019-05-07 07:30 | 日々の詩2018年

「一本のアイロンと 添える手」

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日曜の午後
手ぬぐいをかけた おなかを
アイロンで 温熱マッサージ

どう おかあさん
ああ いい気持ち
ここがキョウセンで ここはカンゾウ
おなか温めると メンエキリョクがアップ 
そう教わった
ねえ 幸せ と聞くから
うん 幸せ とこたえた
 
本が出ました
しあわせになるための 「福島差別」論
被ばくは問題ない 普通に暮らせる 保養はいらない
福島が受けた「差別」を超え幸せになろう みたいな本
読んでも 幸せな気がしない
だって 甲状腺ガンの子ども194人もいるんだよ
黙っているけど 不安は消えないんだよ

それでね
わかったことは
アイロンをかけてもらうと
あったかくて 幸せな気持ちになること
子どもでも誰でも やれるということ
一本のアイロンと 添える手があれば
幸せのお手伝いができそうだから
わたしはそっちがいいな

(2018年2月15日)


by johnny311 | 2019-05-05 11:58 | 日々の詩2018年

「せいいっぱい」

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六十七になった

いつもの 朝のお祈り
みなさまが 幸せになりますように
戦争や原発を無くするための
働きができますように

それから ラジオをつけて
玄米と キムチとみそ汁の朝ごはん
平昌オリンピックの開会式で
イマジンが歌われたんだって
やっぱし 平和でなくちゃね
遠くにいるあなたに そうっと話しかける

夕べは郡山の駅前で
原発いらない いのちが大事と歌った
きょうはお天気だから 洗濯をしよう
明日はあのひとに会うから
きょうはしっかり仕事をしよう
佐渡キャンプの準備もな
 
六十七回目の 始まりと終わり
心して備えよう
できる最善をつくそう
あのひとのもとに
いつ 帰ってもいいように
せいいっぱい
せいいっぱい

(2018年2月10日)


by johnny311 | 2019-04-26 10:00 | 日々の詩2018年

「神だのみ」

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セキさん
どうやって生活しているの とフリツさん

はい 基本は神だのみ
保養が続けられますよう ついでにごはん食べられるよう
よそで福島の話をして拙い詩を詠み おひねりをいただく
まあ ホイドみたいなもんですが
ギリギリでお米が届いたり ガイコクから寄付がきたりするから
願いはきっと 聞き入れられているのです

4年目の浅い春 神さまに願かけた
へっついの家を助けてください
ひと月でカンパ100万集め借金を返す 叶わぬなら
お前にはその力がないのだと 脱原発からも保養からも身を引いて
除染作業員になって借金を返す
そう覚悟したのです
七日たち 十四日が過ぎるころ
セキさん お金集まっているよとハシモトさん
二十日には100万になり ひと月で倍を超え
ああ 神さまって本当にいるんだ おれにまだやれと仰っている
もう泣き言は言わない 腹くくってやる 
役回り 終わるまではな

それからは神だのみ だども
国よいい加減にしろ いつまで民の善意にぶら下がる
あちこちにばらまく金があったら 保養に回せ

そう言ったものの 簡単ではねえですから
フリツさんも ご支援お願いします
いやいや わたしも厳しくてと仰るが
なあに やさしいお医者さまだもの
この春にはきっと何かあるはず と
せっせ せっせと神だのみ

(2018年2月5日)


by johnny311 | 2019-04-25 19:03 | 日々の詩2018年