詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

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「年神さま」

松と ゆずり葉のおかざり
神だなには かがみもち
玄関をそうじして 掃除はおしまい
夕げのあと カズヤスさんは 
ゆく年への たむけの笛を吹いた
 
じき 除夜の鐘
よいお年を となるが
春になれば 米沢の団地のひと
帰還者と移住者にさせられて
おれたちは ゲンパツ難民になるのだべ
だども
夏になれば 保養キャンプをやって
秋になれば いね狩りをして
冬はせっせと家を直して みそかはみんなでモチついて
春には子どもたちを迎えるしたくして
そうやって 死んでゆければいいない

佐渡ケ島 へっついの家のおおみそか
雪もない おだやかな年の瀬で
カズヤスさんは くる年の
年神さまを迎える笛を吹いた

(2016・12・31)






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by johnny311 | 2017-12-30 18:19 | 日々の詩2016年

「難民もどき」

春になれば 
春になれば 米沢の団地のひと 帰還者と移住者にわけられて
自主避難者は いなくなる
福島は「復興創成」なんだって
どうすんべなあ
帰っても ホウシャノウの不安は消えない
帰らないひとも 生活の不安は変わらない

セキさんは帰らないんでしょ
ああ線量下がらないし 地震も続く 子どもは 米沢の高校だし
しばらく 二本松 米沢 佐渡と
行ったり来たりの 難民もどきの暮らしになるでねえがな

(2016・12・27)






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by johnny311 | 2017-12-29 18:15 | 日々の詩2016年

「メリークリスマス いい年になりますように」

福島の どこが危険というのか
0,14マイクロシーベルト 東京と変わらない
避難すべき段階は終わった
不安をあおって 保養にお金くださいと言う
セキ おまえはサギ師だ

自主避難者の子どもいじめられ 金せびられた
むごさいのう
いじめを無くせとテレビは言うが
なんで 避難しなければならなかったのか
なんで 住宅支援打ち切られるのか
なんで 20ミリシーベルトで問題ないと言われるのか
そこは黙ったまんま 知事は逃げを決めたまんま
あっという間に師走になって
ラジオからは クリスマスソング
空から白い雪ふって 避難者は不安げに見上げ
今年も暮れるのです

おめさん 今年はついていやしたか
そうでもなかったでやしたか
おらは 春におふくろ死んで
夏は 保養の募金集めでペテン師とたたかれて
だども 最後は神さまや皆さまに助けられて
ありがたい ありがたい
来年はどうなるかわからねえ
だども皆さま まずはメリークリスマス
いい年になりますように

(2016・12・25)






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by johnny311 | 2017-12-25 11:46 | 日々の詩2016年

「サンタさんがやってきた」

シャン シャン シャンとすずならし
サンタさんが とおりのむこうからやってきた
おおきな たかちゃん ちっちゃな さっちゃん
ほいくえんのみんなに
えほんとおかしと てぶくろを
はい プレゼント
どんなこにも どんなこにも

サンタさん ありがとう
もみのきあおくをうたって しゃしんをとって
それでは またらいねん
シャン シャン シャンとすずならし
サンタさん とおりのむこうにかえってゆく

これから ふくしまでプレゼントだって
サンタさんになりたいな
サンタさんになったら
みんながよろこぶもの あげたいな
みんながよろこぶものって なあに
わからないけど こころが うれしくなって
からだが とんではねまわる
そういうものを あげたいな
 
サンタさんになって
シャン シャン シャンとすずならし
みんなに よろこぶものをプレゼント
どんなこにも どんなこにも

(2016・12・22)






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by johnny311 | 2017-12-19 10:06 | 日々の詩2016年

「あかるい覚悟」

ふらついて なにがわるい
つえ2本の としよりでも
歩きたいんだよ わがのあしでな
おなご好きで どこがわるい
したくなるんだよ いい女みるとな
色気あるうちが はなだべ

おなかの子 片ほうの足7センチみぢかい
血しらべたら染色体異常 「どうしますか」と医者
ホウシャノウのせいか でも
障害児 育てられないと 死産

辛いことは山ほど
幸せなこともたくさん
みなさんと同じように
年を取り 体は動かなくなる
みなさんと同じように
でも 私の人生は楽しいのです と
車いすで 3人の子持ちのマサヨさんは言う
生まれることが 不幸な人生などない
生まれてくるすべての命と
共に生きる覚悟をしてください

ふらついて なにがわるい
おなご好きで どこがわるい
みんな年寄りに 障碍者になっていくんだぞい
おらあ死ぬまで エロじじいで いくべと
あかるい 覚悟

(2016・12・16)







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by johnny311 | 2017-12-14 16:20 | 日々の詩2016年

「だいじょうぶ」

日曜の昼飯 息子とふたり
午後から屋根の落ち葉かき
おめえも手伝うか
いや だいじょうぶ
だいじょうぶって おめえ 日本語おかしくねえが
ふふ いや だいじょうぶ

親父はマスクにほうき ゴム手して
屋根の落ち葉を かき集め
息子は はっぴきて「行ってきます」と
ゆっくり坂道 おりてゆく
きょうは 若連の寄り合いか
二本松は線量高いから
嫁さんもらうなら 子育てするなら
よそで暮らせと おれは言うのだが
いつも息子は 「だいじょうぶ」

屋根のむこうに見える 根雪のあだたら山
その下には 大熊町の仮設住宅あってな
なんぼか 復興住宅も建ってきたのだども
やはり 若いひとは出て 年寄りは残っていて
だいじょうぶだべが
いや だいじょうぶではねえべ

(2016・12・10)







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by johnny311 | 2017-12-13 09:55 | 日々の詩2016年

「燃えるゴミ出し」

冬の朝の 落ち葉かき
玄関まえから家のウラ 軒の下の吹きだまり
そこはうちの ホットスポット
せっせ せっせと袋につめて
燃えるゴミの日に出すのです

落ち葉についた ホウシャノウ
燃やせば 空から降ってくる
たい肥にはならね だども ここさは置きたくね
しかたね しかたねと言いながら
せっせ せっせと落ち葉かく

葉っぱの落ちた 寒そうなけやき
師走だもの じき雪ふって お正月さまがいらして
さむい さむいと2月こせば
借り上げ住宅 出ねばなんねえ3月だ
家賃払えば いられるだべが 
だども その金 どうすんべ 
どうすべなあ どうすべなあと言いながら
せっせ せっせと 燃えるゴミだし

(2016・12・7)






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by johnny311 | 2017-12-12 08:08 | 日々の詩2016年

「難民とさせられる」

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あしたはデモ 県庁さ押しかける
きょうはしたく 古いカレンダーのウラ
なんて書くべが

自主ひなん者 追い出すな
誰のせいで こうなった
国と東電のせいだべしさ!

書いたら ダンボールさ貼って
ヒモをつけたら できあがり

あしたはデモ 福島のまち あるく
みんなに 見てもらいたいな 
いっしょに 歩いてもらいたいな

「勝手に出たんでしょ 支援するのがまちがい」

そういうひとも いるのだけんど
自主ひなんの 子どものいじめ 許されないというけんど
住宅支援うちきりも 国のいじめだべしさ だども
テレビも新聞も だまっているから
あしたはデモ 県庁さ押しかける

背中には プラカード
誰のせいで こうなった
国と東電のせいだべしさ
ウチボリ 出て来い!
難民とさせられる ひなん者の声を聞け

(2016・12・3)





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by johnny311 | 2017-12-11 10:18 | 日々の詩2016年

「そらから ふあんがふれば」

山から 風 ドーとふいて
けやきのはっぱ バラバラおとし
クルクル アスファルトのうえ ころげまわって
家の前さ 落ち葉ふきだまる
きょうは 燃えるゴミの日
マスクして落ち葉 袋さ入れてゴミ出し
だども 燃やせば また空からふってくる
だども 目の前さ置きたくね
「はようございます きょうもやりますんで」
ああ お寺のジョセンかい ごくろうさまです

けさも 地震あった
おとといは 津波で浜のひと逃げた
第2原発の 燃料棒冷やす機械 止まったらしい
国もトーデンも 信用ならねえから
ガソリンは 満タンにした

テレビで高校生 「信夫山 大丈夫でしたから
親子でのぼってください」だど
廃炉を考えねばって 原発 見にに行ったんだど
止めねえのか大人 高校生だぞ
地震に あわなくて良かったない
復興だの帰還だの 一生懸命なんだども
違うんだよな がんばりどごろが 

見上げると チラチラ雪
これにも セシウムまざってんだべ
春になれば 自主避難者の住宅支援 打ち切り
おれは 空から降ってくる 不安をみていた

(2016・11・23)






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by johnny311 | 2017-12-02 10:39 | 日々の詩2016年

「直訴」

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県庁前に
冬の雨ふる 雨ふる
こごえながら ぬれながら
わたしたちを追い出さないでの バナーにぎるひと

知事に 会わせてください
知事は なんで会わないのですか
県庁の廊下 ふいに開くとびらから
定例の 記者会見を終えたウチボリ知事

自主ひなん者の住宅支援 打ち切らないで
わたしたちの声を聞いて
直訴 じきそ ジキソの声 だども
ふり向きもせず 取りまきと立ち去るウチボリさんの背中に
「県民の声を聞くのが 知事の仕事でねえのが」の ば声とぶ

廊下で1時間半 押し問答
けっきょく 直訴状は担当の職員に
あしたも 直訴状もって来るぞ

県庁前に
冬の雨ふる 雨ふる
震えながら 右往左往しながら
自主ひなん者は 4か月後には追い出されるのか
帰れない者は どごさ行けばいいのか

(2016・11・28)






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by johnny311 | 2017-12-02 07:50 | 日々の詩2016年