詩と写真でつづる311 関久雄「原発いらない、いのちが大事の歌」

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「ゲンパツ難民」

「いのちの危険から 身を守るために
すみかを転々とする これを難民という」

2017年3月 自主避難者の 住宅支援打ち切り
「おとうさん うちはどうするの」
「うちは帰らね 線量高いし おまえの学校あるし
またドカーンって 事故るかもしんねえし」

もう福島は安全 山菜やイノシシ食べたって大丈夫
子どもだって産めますよ ただ 5年たっても不安は残っている
放射能教育の不足と カガクシャ
帰還者には引っ越し費用も出ます 帰らない方は移住をどうぞ
もはや 避難の段階ではありませんから と役人

たしかに線量下がった 野菜のベクレルも出なくなった
だども 福島で暮らすってリスク高いんだよ 
安全かどうかは国やセンモンカでねえ オレが決めんだよ!
と 息まいてみたものの
4月からの家賃 どうすべなあ と 天あおぐ

あおいだ空から 雪はチラチラ
その雪にも 風が運ぶものにも お米にも 子どもが握るどろダンゴにも
大好きなあの人の髪の毛にも 透明な不安はひそんでいるものだから
どうすべかなあ とため息ついて
とりあえず 避難を続けることを決めたのです
決めたのですが 子どもが手を離れたら
原発で何かあったら また 転々

春になれば
4月になれば 避難者はいなくなり
わたしたちは ゲンパツ難民となるのです。

(2017・1・26)






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by johnny311 | 2018-01-29 10:05 | 日々の詩2017年

「ピンピン コロリ」

朝がた
コホ コホと咳がでたのは からだが冷えたから
からだ冷えたのは
冬だからか 放射能あびたからか 年だからか
それもあるけど 一番は
こころが冷えたから
あのひとがおふとん そうっと抜け出して
遠くに行ってしまったから
からだ冷えて こころ冷えて

コホ コホと咳こみながら
おふとんの中で 朝のお祈り
世界中のひとが 戦争や差別や 放射能や災害や
あらゆることで苦しまぬよう 幸せになりますよう
わたしにつながるすべてのひとが
幸せになりますように

お日さまが
ゆっくりと ガラス戸越しに入ってきて
からだを温めてくれたから 幸せな時間を思い出して
それから お風呂をわかしにいったんだ

風呂はいいな あったまる
あったまって元気でたら また
好きなひと見つけるべ
わくわくの 恋こそじじいのエネルギー
悪いか エロおやじで
ピンピン コロリ ピン コロリ
たたなくなったら コロっと逝く
そうなりゃ一番だのお

(2017・1・10)





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by johnny311 | 2018-01-15 20:12 | 日々の詩2017年

「インナーチャイルド」

あなたの中の
こどもだったあなたを抱きしめる
わねさんが そう教えてくれた

リヤカー引いて 母っちゃが帰ってくるのを
街灯の下で待っていた 妹と弟と三人で
あらったゴムの短グツ 店のたなにほして
父っちゃになぐられた
婆ちゃんの 野辺のおくりに行く母っちゃに
いぐな いぐなと 泣いだ 泣いだ
盛岡で買ってもらった セルロイドのお面
帰りのバスでなくしてしまった
雨ふると ポタポタ雨もり
洗面器を置いた あっちにもこっちさも
いまも覚えている 小さい頃の 
切なかったこと 悲しかったこと 痛かったこと
甘えたかったこと がまんしていたこと ほめられたかったこと
ずーと引きずりながら でも昔には戻れないと 
こころに 重しをしていたのさ

いま じいさんになったひさおが目をつむり
幼いヒサオに話しかける
つらかったね かなしかったね さみしかったね
ほんとうは あまえたかったのに
あれから いっしょうけんめい生きてきた
もう だいじょうぶだから そう言ってだきしめた

お話は これでおしまい ただ それだけ
3・11で こころのフタはじけたんだもの 
これからは 思うように生きる
甘えられるひとも きっと見つかるさ

(2017・1・9)



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by johnny311 | 2018-01-13 10:36 | 日々の詩2017年

「夢」

夜中に グラグラッときて
ふとんの中 からだ固くして
3だべか4だべか これでおさまるべが
0時44分 震源地は福島県沖
マグニチュード5,4 震度4
原発は だいじょうぶか

それから ウトウト
だども またグラグラッときて
2時53分 震源地は福島県沖
マグニチュード5,3 震度4
6年前から こったに揺れているのは
バチあたりな 原発こさえたから
地球が 怒っているのだべ 

それから ウツラウツラして夢を見た
船が しずんでいく夢
「こっちのボートに乗って!」 と言うのだが
「だいじょうぶ いま協議中
決まるまで ここにいなさい」と
大声でしきる男がいるものだから
船内のひと 不安げに立ったまま こっち見ている
「こっちさ 来お! はやぐ はやぐ!」
ああ 船はしずみかけているのに

そこで 目 さめた
いがった 夢でいがった
だども 
本当はしずんでいるのではねえべが
福島が ニッポンが

(2017・1・6)






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by johnny311 | 2018-01-07 13:48 | 日々の詩2017年

「ふるさと」

ただいま
がらんとした 佐渡へっついの家
誰もいないけれど ここは
みんなの わたしのふるさとだ
つまらないのは 雨のお正月
雪かきができない かまくらが作れない

おやじは佐渡で 母と末っ子 米沢で
兄貴ふたり 二本松でお正月
いまごろ 缶ビールとカップ麺すすっているか
それでも そこは お前たちのふるさとだ
せめて 雪ふれ 雪ふれ 雪ふれ
雪かぶせろ 雪かぶせろ 雪かぶせろ 
そうすりゃ放射能 雪のした

あのひとの家に行ったら
ただいまって 言うんだ
そこは あのひとのふるさとだけれど
ときどきは わたしのふるさとにさせておくれ
こたつでお茶のみして おしゃべりして
朝はすきとおった 空気をのみこんで
ベクれてない 小さな畑をうなって種まきのしたく
汗をかいたら縁側にすわって
いっしょに 遠くの山を見るんだ

(2017・1・3)






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by johnny311 | 2018-01-01 20:53 | 日々の詩2017年